lulu lalala's blog

確かかなと思った言葉を気ままに。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【小説連載】刑事堀部(23)~りぃ その2

……女の話でもするか。 ありきたりに、今度はそう考える。けれど、女のことでは、ひわいでいやらしい思い出話しか彼にはない。彼にとっては、また味わいたい甘美な思い出ではあったが、ここで披歴することもないだろう。 ……こいつには知られてることも多いし…

【小説連載】刑事堀部(22)~りぃ その1

あらすじ 暴動におびえた仲間の達吉は自白し、則子、源造らとの計画が明るみになる。彼らは対米敗戦とソ連侵攻を見据え、ソ連と取引を画策していた。逮捕された真壁は、殺害したのは則子ではなく、もう一人の仲間・高太郎だとも自供。迷いがあった高太郎は邪…

【恐怖体験】~で無間の悪霊に襲われる。

夕べのこと……。 食事を終え、台所で洗い物をしていたときだ。……ふぅ。身の毛がよだつとは、まさにあの瞬間。 何とはなしに玄関へ目をやったら……。 え? そこに「見知らぬ子ども」が立っていた。 鮮明に覚えてる。身長は120㎝くらい、黒い髪に、青白い肌。…

【小説連載】刑事堀部(21)~先手 その5

あらすじ 則子の死で、ある計画が頓挫した源造ら。源造は、その責任を則子の愛人だった真壁に押し付けた。堪えかねた真壁は、源造失脚を狙い、「売国奴」の醜聞を流布。触発された島民らは、源造襲撃に及ぼうとするも、堀部の機転で、源造たち一家は警察が保…

【小説連載】刑事堀部(20)~先手 その4

翌朝。8月12日。 この日、二つの大きな話題が町を駆け巡った。一つは新聞報道。その見出しは、 『本土に緊急疎開へ』 記事によると、 『本日付で樺太庁長官が、13歳以下の男女と14歳以上の婦女子など約16万人を疎開対象とする通達を各市町村に出す…

エッセイ―この世で最も信頼していいもの、若き日の予感

他人の不幸は蜜の味、と誰々がほくそ笑む。けれど、他人の不幸から甘みしか感じられない味覚の持ち主が、一人前であるはずもない。 今、自分にとって、この世はこんな半人前だらけ。自分が一人前と思っていた人たちは、みんな綺麗に天に召された。 故人を責…

エッセイ―世界に自分を知ってもらうより、世界を知るほうがラク。

ふと思う。 大昔から伝えられる神様とか、妖怪とかいう存在は、物事の道理を庶民に分かりやすく伝えるための当時の弁法だったのではないだろうか。 今でいう、論理的にとか、客観的にとか、科学的にとか、統計的にとか、そんな教育・教授のための手段の一種…

エッセイ―我ら、戦中派を知る最後の戦後世代

~西部邁と、氏亡き後の市井の輩に~ 登場人物 フジワラ ユズル 防衛医大生 ダイタ タカシ 従兄 ダイタ カヨコ その妻 ソクラテス ダイタ家の飼い猫 ワーニャ 旅行中のロシア人 ソーニャ その姪 // ◇◇◇◇ 「ああ、ようやく見つけた、先生。朝っぱらから方々走…

ある反省

ある反省についての備忘録 一つ、 二つ、 三つ、 四つ、 五つ、 一つ、 人の悪口を陰で言ってはならない。言うなら目の前で、その憎き相手が最も反論に窮する論理を言い放つことができた後の締め括りとして使用するのがよろしい。 二つ、 「あの人は変わって…

【小説連載】刑事堀部(19)~先手 その3

あらすじ 則子の死で、ある計画が頓挫した源造ら。彼は、その責任を則子の愛人だった真壁に押し付けた。 「酪農に興味があるのよ」 「はあ、知りませんでした」 どうにも妙子が不思議がってくるので、スミレは理由を急ごしらえする。 「島の産業を知っておく…

【小説連載】刑事堀部(18)~先手 その2

「そうだよな。サエは、夜中に密会する生徒と付き合うような不良じゃない」 「まあ。私のこと、よく分かるんですね」 「分かるさ。俺は、君のことなら何でも分かる」 2人は見つめ合った。 「……サエ」 「篤志さん」 篤志がサエの手を握った。 「サエにはいつ…

【小説連載】刑事堀部(17)~先手 その1

あらすじ 疑惑の目を炭鉱業の源造らに向けた堀部だったが、そのころ町で騒ぎが勃発する。ある朝鮮人が、ソ連側のスパイと疑われ、島民らに襲われたのだ。見かねた青年・篤志が、どうにか朝鮮人を助け出し、堀部の家に一時かくまってもらう。そこを、かぎつけ…

【小説連載】刑事堀部(16)~翻弄 その5

あらすじ 疑惑の目を炭鉱業の源造らに向けた堀部だったが、そのころ町で騒ぎが勃発する。ある朝鮮人が、ソ連側のスパイと疑われ、島民らに襲われたのだ。見かねた青年・篤志が、どうにか朝鮮人を助け出し、堀部の家に一時かくまってもらう。そこを、かぎつけ…

埼玉県警○○警察署まで免許更新に行ったら外の猛暑に晒されグッタリさせられた。

今日、8月11日。運転免許の更新手続きでえらい目にあった。 「密を避ける」 この理由で、この日の猛暑の中、手続きの順番がくるまで警察署の外で待たされ続けました。 いやいや・・・。 順番待ちには高齢者も結構いた。密(みつ)になる前に、誰かが棺(ひ…

【小説連載】刑事堀部(15)~翻弄 その4

あらすじ 対米戦争末期の1945年8月、南樺太に勤務する警察官の堀部は、ある日、火事の焼け跡から出た死体の捜査に出る。死体の状況から殺人と判断する堀部。同じころ、島では国境を接するソ連が対日開戦を宣言する。堀部は聞き込みした女学校で、生徒の…

【小説連載】刑事堀部(14)~翻弄 その3

楡井は可能な限りの小声で、「まさかお前、俺をしょっぴくつもりで……」 「馬鹿」 「何です?」 「ごめんなさい。こっちのことです」 谷山は2人の顔をじろりとのぞいた。 「堀部なら、朝から出とる 「例の事件の捜査で?」 「……そうだが」 谷山は篤志の左腕…

【小説連載】刑事堀部(13)~翻弄 その2

「それにしても谷山、あとで正しい狐の煮方を教えてやろう」 そうして小野田家に着いた堀部。玄関を叩くと、出てきたのは昨日の女学生、妙子だった。 「あら」 「おはようございます。そうか、小野田妙子さん。こちらがご自宅でしたか」 「はい。昨日はどう…

【小説連載】刑事堀部(12)~翻弄 その1

あらすじ 対米戦争末期の1945年8月、南樺太に勤務する警察官の堀部は、ある日、火事の焼け跡から出た死体の捜査に出る。死体の状況から殺人と判断する堀部。同じころ、島では国境を接するソ連が対日開戦を宣言する。堀部は聞き込みした女学校で、生徒の…

【小説連載】刑事堀部(11)~手合わせ その6

みよ子は憤然とした。 「だから、彼女たち以外で誰がやったというのですか?」 「やったというより恐らく、やってしまった、でしょう」 堀部は冷静に答えた。 「ねえ、前沢先生」 みよ子と真壁がぎょっとする。 「あなたが花瓶を落とし、牧田サエさんに怖い…

【小説連載】刑事堀部(10)~手合わせ その5

あらすじ 対米戦争末期の1945年8月、南樺太に勤務する警察官の堀部は、ある日、火事の焼け跡から出た死体の捜査に出る。死体の状況から殺人と判断する堀部。同じころ、島では国境を接するソ連が対日開戦を宣言する。堀部は聞き込みした女学校で、生徒の…

『やっちゃんねる』へのエール2(の必要もないかもだが)~【観る側の作法について】一度気になった人を折に触れ気にかけるということ

ユーチューバ―の「やっちゃんねる」。 このところ苦戦気味だと、本人は考えているのかな。動画の再生数は安定していると、こっちは思う。 勝手な見立てだが、派遣の仕事を辞めて自由が増えたら、同時に一人の時間が増し、それが焦りを生んでしまう可能性はあ…

FXで3万円の利益! ・・・失った170万を取り戻すには、これをあと56回繰り返さないといけな~い

今月24日の金曜日、FXで久々に利益が出ました。 約3万1000円。 狙っていた円高に為替が傾き、売り建てのNZドル円が利益をもたらしてくれた。 利益・・・損失よりはいい言葉。 まあ、失った金額と比べたら、微々たるものですが。 7月のトータルは+3万7…

【牙狼『MAKAISENKI』を久々に観て】~ラーメン屋は味が変わると客が遠のく。けれど、牙狼はラーメンじゃない

『牙狼<GARO>~MAKAISENKI~』がBS日テレで再放送中。 それを思い出した先日、久々に観たのが4話「切札」。冴島鋼牙がポーカーでホラーに挑む、ちょっと異色のエピソード。 劇中の雰囲気に触れてすぐ、「ああ、昔の牙狼はこんなだったなあ」としみじみ。 …

FXでまた損失発生中。勝てなければ死ぬ、戦わなければ勝てな~い。そして、彼や彼女へのレクイエム

ここ最近、為替が円安傾向にあった。 そろそろ逆(円高)に振れるかな・・・。そんな軽いノリで、NZドルを売り建てしたのがつい先日。 しかし、いや、やはりと言うべきか。 ・・・下がって来な~い。 また含み損拡大かよ。 為替取引は円高か円安か、選択肢は…

【小説連載】刑事堀部(9)~手合わせ その4

「いた」 スミレの瞳が、廊下を歩くサエの姿を捉えた。今日のスミレは、どうも朝から胸糞が悪い。昨日の夕飯のせいか、それとも、父の様子が普段と違ったのが気になるからか、あるいは朝食、いや、やっぱりあのソ連のせいであろうか。 考えてみても理由は定…

【小説連載】刑事堀部(8)~手合わせ その3

あらすじ 対米戦争末期の1945年8月、南樺太に勤務する警察官の堀部は、ある日、火事の焼け跡から出た死体の捜査に出る。死体の状況から殺人と判断する堀部。同じころ、島では国境を接するソ連が対日開戦を宣言する。 「うまく立ち回ってみせるわ」 「あ…

地元で最後の独身だった友人の結婚が決まった、素直に嬉しい。そして自分・・・結婚する可能性はほぼない

先日、地元の友人から結婚の報告があった。11月に挙式・披露宴とのこと。 おめでとう、○島。 ずっと結婚したがってたもんね。街コンからお見合いまで、出会いを求め、頑張っている姿を見てきた。半分冷やかしながら、けど、本気で応援はしてたんだ。 だから…

川口の特別定額給付金がようやく入金、おっそ! 

川口市の給付金、ようやく入金されたみたい。まだ口座で確認してないけど。 けど、おっそくない? 申請したのいつだったっけ。6月前半だったか。 経済活動の自粛を受け、国民のお財布に緊急的に振り込もという意図で始まったのだろうけど、これじゃあ、ちょ…

【小説連載】刑事堀部(7)~手合わせ その2

「あのう……」 こう声を掛けられたのは、堀部が校舎内をぐるりと回り、玄関前まで出てきたときだった。 肌の白い少女である。サエだ。 「こちらを落とされませんでしたか?」 サエは堀部に片手を差し出し、その手のひらには男物のハンカチーフが乗っていた。…

【小説連載】刑事堀部(6)~手合わせ その1

ここまでのあらすじ 対米戦争末期の1945年8月。南樺太に勤務する警察官の堀部は、ある日、火事の焼け跡から出た死体の捜査に出る。死体の状況から殺人と判断する堀部。同じころ、島では国境を接するソ連が対日開戦を宣言する。 2 手合わせ 「もし」 「…