グループリーグの初戦で、日本が強豪ドイツに勝った。
結果がすべての国際大会で、勝利自体は、確かに喜ばしい。
けれど、この結果をもって、これまでの過程をご破算にしてしまうのは間違いだろう。
全体的な戦術、プレー認識において、日本は明らかにドイツに劣っていた。
後半の修正力を評価する言説が多そうだが、どれだけ再現性があるだろう。
今回は、グループリーグの初戦。トーナメントの決勝ではないのだ。
どんな戦術であれ、最後は選手個人の質に頼るのだとしても、その質をいかんなく発揮するために、日本代表は最善を尽くせているのか。
そうしてきたのか。
ファン目線で言えば、一発勝負のW杯、目先の勝ち負けに一喜一憂していてもいい。
むしろ、そのほうがいいかもしれない。
だが、それはそれは。
一時のファンの興奮に甘え、日本サッカーのレベルが、今のままでいい理由にはならない。
その意味で、あの勝利にかえって危機感を覚えたサッカー関係者もいるのではなかろうか。
日本サッカー協会側には、大会の結果に関わらず、自分たちの現状についての謙虚さを忘れない、あるいは目を逸らさないでいてもらいたい。
過去を振り返れば、今のところ、日本人の知的レベルには不安しかない。