2020-01-01から1年間の記事一覧
騎士道戰隊ナイト連煉憐(レン)ジャー 〈登場人物〉 赤井(27)…部隊長 青柳(30)…その仲間 緑子(23)…その仲間 黒部(27)…その仲間 桜(26)…その仲間 白河指令(42)…戦隊指令官 副指令A(40)…白河の部下 副指令B(39)…白河の部下…
騎士道戰隊ナイト連煉憐(レン)ジャー 〈登場人物〉 赤井(27)…部隊長 青柳(30)…その仲間 緑子(23)…その仲間 黒部(27)…その仲間 桜(26)…その仲間 白河指令(42)…戦隊指令官 副指令A(40)…白河の部下 副指令B(39)…白河の部下…
騎士道戰隊ナイト連煉憐(レン)ジャー 〈登場人物〉 赤井(27)…部隊長 青柳(30)…その仲間 緑子(23)…その仲間 黒部(27)…その仲間 桜(26)…その仲間 魔物の王(年齢不詳)…魔物たちの王 白河指令(42)…戦隊指令官 副指令A(40)…白河…
騎士道戰隊ナイト連煉憐(レン)ジャー 〈登場人物〉 赤井(27)…部隊長 青柳(30)…その仲間 緑子(23)…その仲間 黒部(27)…その仲間 桜(26)…その仲間 魔物の王(年齢不詳)…魔物たちの王 =一幕= 激しい雷雨。 ぬかるんだ地面を駆ける音。 …
そろそろ決着をつけよう。 上原、斎藤、フランチェスコの三人が初めて同じ覚悟を共有した。フランチェスコの場合は覚悟というより大人の遊興といったところか。 「真実はやらないよ」 穏やかに強調した。彼には自信がある、真実を留めておく自信が。すべてを…
フランチェスコにリストランテを存続させる気などないことを上原は知らない。フランチェスコに勝負事で先に負けてもいいというサービス精神などないが、生き残る執念も薄く、どんな相手も見下せる強みとなっている。これが、フランチェスコという存在につい…
玲子は上原に駆け寄った。「どうしたんです、彼女、大声なんか出して」 「唯と話してたようだけど、俺の名前も出ていたような」 真実は深々と下げた頭を一向に上げない。安西が腕を引っ張っても動かない。 「真実ちゃん、あのね……」 「伝えたいことがあるの…
事情を知るはずもない唯は、慣れないレストランの中、朱美とフランチェスコの前でやや緊張気味。そうだ、優ちゃんから教わったテーブルマナー、マナー……何だっけ? 「坂下さん、上原君とはもう長いんですか」 「ええっと、はい、昔からの知り合いで」 「けど…
フロアを回る今宵の玲子の愛嬌は普段の倍。 元々人気があるので、男性客のファンを増やすのは必然かと想像させる夜だ。今後の人生で、女性受けする慎ましさも身に付ければ言うことはない。そうした魅力と未熟さをフランチェスコはよく承知している。 朱美を…
「優ちゃんは入らないの? ちょっと冷たいけど慣れれば気持ちいいよ」 勇人の手を使って唯が手招きする。 彼女にも、この時間が決断の時という予感があった。強くありたい、人として母として女として……。 上原にただ頼るだけの存在ではいたくなかった。彼に…
「オーナーとけりはついたんですか」 タイミングを見計らい、玲子が澄まし顔で尋ねる。 「どうかな。それより唐さん、余計なことしてくれたようだね」 「背中を押してあげようとしたんです」 「自分の背中を押すついで?」 「斎藤さんが上原さんを道連れにし…
リストランテ・ヴェッキオのオーナー、フランチェスコ大滝には夢がある。すべてのものを愛し、裏切り、捨ててやるのだ。 本人は極めて明るい。この世の暗闇に埋もれないため、さらに濃い暗闇を持つ、ただの敗者はごめんだ。 他に方法があったとしても、彼は…
支配人の多々良が顔を出した。 「お二人さん、昨日の休みはゆっくりできたかい。僕は、ふあーあ、サッカーの見過ぎで寝不足だよ。今日はお客さんもそれほどだから、養った英気を一気に消費することもないだろう」 「一日休んだくらいで回復するような、なま…
「唯ちゃんも言いたいことがあったら言ってよね。聞いてあげるんだから」 「無理だよ、朱美さんみたいに面白くなんか話せないもん」 「馬鹿ね、私みたいである必要なんかないじゃない。あなたにはあなたの、それこそ、私にはない可愛らしさがあるでしょ。そ…
自分にとって都合のいい、陰湿な想像だと非難されるべきだろうか。 一般的にはそうかもしれない。だが今回のケースは違う。 上原はそれに確信が持てないでいる。 確信を持てたとして、状況に飛び込む勇気があるのか。いや、状況に飛び込んだとして、その先を…
「ほら、手を貸すよ」 「いいって」 「いいから」 「ありがとう……」 唯は上原の右手にゆっくり左手を乗せた。そうして上原の力で加速し、病院のベッドから立ち上がる。 疲れている。相手の顔から、お互いそう感じた。 唯からすれば、自分が倒れて病院に運ば…
「話って何ですかね」 「あれだろ。前に言ってた、この店の今後の話じゃない。ねえ、唐さん」 「……そうね」 フロアでは、オーナーのフランチェスコ大滝が数名のスタッフらと談笑していた。数メートル距離を置いたところで斎藤が一人で佇んでいる。今の玲子は…
斎藤の一喝に驚かないスタッフはいない。 当然だがお客たちまでびっくりさせてしまい、斎藤はパスタをテーブルに届ける過程で、態度を徐々に控え目に切り替える。 接客を済ますと、 「安西、お前は俺に何て言われたんだっけか? どういう状況だ、こいつは」 …
自分の存在を肯定したい、肯定してもらいたいという感覚は誰にでもある。同時に、他人を前にして自らを否定してみせる、そうした気分を持って状況に臨むのも人間交際の作法といえる。大抵の場合、この作法を身に付けていれば、とりあえず自意識の野蛮さの暴…
玲子は、アルコールで紅潮した老紳士の頬よりずっと恥ずかしい気分になり、笑顔を繕ってテーブルを離れた。 ……まったく、あの人が私に飽きる、興味を失くしたとしたら理解できる気がするじゃない。私もガキね、馬鹿だわ、嫌になっちゃう。 玲子はいったん店…
「最高の褒め言葉をいただいたと、シェフには伝えておきます」 「私なんぞの言葉が励みになりますかな」 「ええ、必ず」 「そうですか、それでしたら。……あちらこちらにいい加減なものが溢れている世の中で、このリストランテは本物だ。初めて妻を連れてきた…
厨房はまさに戦場だ。 「安西、チポッラロッサ(赤玉葱)」 「はい」 「同時にこっちの塩抜き」 「了解です」 「流れるように、流れるように。間、出汁は煮詰まったか?」 「もうちょっとです」 「よし。さあみんな、どれだけ忙しくても格式だけは忘れるな。…
「どうしてこんなところに、朱美さん」 「旦那と喧嘩してね、家出中」 「また? でもどうしてここに?」 「あなたがいるっていうから、ついでよ。あなたの笑顔、定期的に眺めておかないと寂しくって。まさか道端で会えるとは想像してなかったわ」 「こっちも…
「駄目、泣いちゃヤダよ」 「安西、それはないよ」 上原と唯はそれぞれのやり方で真実を慰め、安西を非難した。 「すいません、もう大丈夫です……。私、副支配人の恋の昔話が聞きたいんですけど」 「ええ? 急な転換だな。その流れまだ続いてたの?」 「もち…
商店街の一角にある喫茶店に移動し待っていると、上原がやってきた。 安西と真実はぺこりと頭を下げ、唯はにっこり笑う。 「こんにちは。勇人、まだ飽きてないか? 一体どうやったらこんな組み合わせになるんだい。三人は知り合いじゃないだろ」 「偶然なの…
唯は輸入物の食料品店に入ってみることにした。 「知らないパッケージがいっぱい。これは何、スパイス? 勇人、勝手に触ったら駄目だよ」 住み慣れた街での異国の雰囲気に、感性がちょっと陽気になる。 その唯と同じ変化が起きているとみられる二人組が店内…
この日の営業が終わり、一息ついていたスタッフ全員が集められた。 「みんな、いつもいつもご苦労様、このリストランテの誇りたちよ!」 店のオーナー、フランチェスコ大滝が大きな身振り手振りを交え話しだす。光沢のあるスーツに、片手にはワイン、お決ま…
着替えが終わった上原と斎藤は、それぞれの役割に就こうとする。 「じゃあ、一日よろしくな」 「ああ」 「あの返事は明日が期限だ、忘れてないな?」 「ああ……」 「そうか。若干暑くなりそうだ、水は冷ためでもいいかもな」 この二人が好きな映画に、ディナ…
上原はウィスキーを瓶から飲んだ。 「返事は明後日まで、だったな」 店の同僚から独立しようと誘われていた。浮かない日々に、ふと訪れた転機の可能性。自分の力で動かした可能性ではないから、取り扱いには慎重だ。返事も伸ばしてもらいたいと思っている。 …
もし一度死に、しかし生き返ることができるとしたら、みな一度は死んでみるのではないか。 信頼できる友人がいない、恋人に裏切られた、家族を失った、やりたい仕事がない、事業に失敗した、金がない、あいつが気に入らない、あいつも妬ましい、世の中がむか…