時間が経つことで思いつくことがあります。
先週の牙狼『VERSUS ROAD(VR)』7話、『FRIEND』について、ぼうっと思い出しながら、ふと考えた。
魔戒騎士の鎧は一子相伝である以上、継承の系譜が途切れる可能性は常にある。後継者が育つ前に騎士が亡くなったり、そもそも適当な後継者が現れなかったりした場合、その座は空白のまま。
解決には、次の世代を根気強く待つしかない。
その展開を壮大に繰り広げたのが『闇を照らす者』だったわけですが、VRは、それとはまた別の道を行く物語になるかもしれない。
・・・もし、死なない牙狼がいたら。
鎧の系譜に空白をつくらない一つの発想として、「永遠に所有者が入れ替わらなければいい」、という考えがある。つまり、もしも死なない人間がいて、その彼が鎧を身に付けたら・・・である。
実際にはそんな人間などいやしないが、人間以外の何かで永遠の命を持つ存在がいたとしたらどうか。
たとえば、ホラー。
ホラーに「死」はない。魔戒騎士に斬られても、魔界に送り返されるだけである。そのホラーが牙狼の鎧を纏うことができたら、牙狼は永遠の存在になりえる。
原理的にはあり得ない話だ。ホラーを狩るための鎧をホラーが着るなど、牙狼の世界では荒唐無稽な筋書きだろう。
ただ、こうした思い付きのきっかけとなったものがある。VRで準レギュラーばりに登場する、サイボーグ・ホラー(仮称)の存在だ。
あの装置は何だろう。どうして、あそこまで完璧にホラーを操れる。もし、人間の思い通りにホラーを懐柔できるなら、すごい発明。もっと注目すべきではないだろうか。
思い出すのは、葉霧宵刹(ハギリショウセツ)のセリフ。
「希望と絶望は同じ」
「お前たちの陰我で牙狼を満たせ」
牙狼の鎧をホラーに纏わせるのは、たぶん不可能。しかし、邪気を大量に吸収させることで鎧そのものをホラー化し、そのホラー化した鎧をあの装置で操ることができるとしたら。
永遠の牙狼の誕生だ。
ホラーという、人間にとっては絶望の存在を使い、牙狼という希望を永遠にする。そんな狙いを葉霧が抱いている可能性はありはしないだろうか。
牙狼のアメブロを見て、今更ながら知ったのですが、6月4日放送予定のVR第9話では、牙狼の不在が長きにわたり続いた時期の物語が描かれるそうだ。
だとすると、7話で出た「牙狼はもういない」という指摘は、やはり重要な意味を持ってくる。
牙狼がいない世界。
考えてみれば、闇照のように、最後には黄金が輝く時代ばかりとは限らない。待てど暮らせど救世主が現れない状況で、人々(魔戒騎士・法師)がどんな思想に傾くか。
そんなテーマがVRに隠れているとしたら・・・深い。
まあ、すべてはこっちの勝手な想像です。
どのみち、残りはもう数話。最後まで見届けざるを得ない、と改めて思う。
別の牙狼記事