恨みや憎しみに囚われる必要はないが、忘れたり水に流したりする必要もないと思っています。
過去よりたくましい自分になるには、過去を記憶の額縁に入れ、覚えておくことも肝要です。そうでなければ、また似たような経験を、今度は高い確率で手繰り寄せる羽目になります。
そのために大切なのが旧友……旧知の友。旧い自分を知ってくれている、記憶を共有してくれるあいつの存在が、人生の原風景を思い出させてくれる。何にも代え難いものです。
新郎は、まさにそんな存在。
人によっては、旧友が目障りな時期もあるでしょう。
問題は、目障りなほど物足りなくなったのは相手か、自分か。
もし原因が自分なら、仕方ない、苦行の時。何年続くか分からないですが、頑張るしかない。もし原因が友にあるなら、それは、今こそあなたが培った能力で、友を感化する番(チャンス)。
新郎には、常に感化されてきました。
絆とは、切れた糸を半分ずつ持っている状態だと思います。一人が半分、別の一人がもう半分。掌に残った感触を頼りに、繋がっていないからこそ意識する関係が、絆ではないでしょうか。
これからは何より、奥さんとの、家族との関係を大切に。
そこへ、ほんのちょっぴりでも友人との絆が加われば、人生の豊かさはきっと、より大きなものになります。いや、新郎の場合、すでに持っていた絆に、奥さんとの、家族との関係が新たに加わって、人生がより豊かになると言った方が良いでしょうか。
いずれにせよ、こちらから糸を手放すことはないと思うで、飲みたい時があれば、いつでも付き合うよ。
いつまでも幸せに。両家の幸福も祈念いたしまして、乾杯の挨拶とさせていただきます。